【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

隣にいた朔さんをちらりと見たら、笑っていた


あいつ、みんなが安心できるくらい強いことを証明したいんだとさ。

そう笑っていた


でもそれが、総長相手なんて馬鹿げている


だってあんなに華奢な女の子なのに


怖がる様子もなく…むしろ楽しそうに手首と足首を回している

本気か?正気か?そう思った

目の前の泉さんは強い。誰もが知ってる。その前でどうしてあんなに余裕なのか


スカートがどうとか、パンツが見えるとか泉さんが怒っている


俺は夢でも見てるのか?
少し顔を赤くして怒る泉さん


初めて見た。あんな顔


他のみんなも、朔さん、あの子…と心配しているが、朔さんは、うるせぇ。お前らに認めてもらいたくてやってんだ

そう言った


もう泉さんの前に一対一で立ててるだけでも凄いよ。見てるこっちは気迫でやられそうなのに、どうしてあんなに余裕のある表情なんだ?


ピリピリとした空気の中、女の子が動いた



それはまるでひらひらと舞う蝶のよう



実際どれくらい経ったか分からないが、一瞬に思える。それくらい2人のスピードは速く目で追うのも難しかったから