【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


俺の声で立ち止まりこちらを振り返る金髪の男


その男は優しい顔で言った



「親父を大事にしてやれよ」



あれ


何かがおかしい


その人の顔はとても優しい顔だったから



「待って!!!」



呼び止めてどうする?何を聞く?
でも本能が男を呼び止めていた



まだ何かあるのか?そう言いたげな表情の男
でもこれだけ言わなきゃいけない


きっとこの人が犯人から取り返してくれた。そんな気がするから



「ありがとうございます!!!」



大きな声で言った

男は3秒くらい固まった後に少し微笑み、早く家に帰れよ、と


「駅に父さん迎えに言ってきます!」


父さんに早く教えてあげなきゃ!取り返してくれた人がいると!


駅に走ろうとしたが腕を掴まれる


え?



「親父、まだ駅なのか??」


少し焦ったような顔
俺はコクリと頷くことしかできなかった


男はチッと舌打ちして駅の方へ走っていく


何か嫌な予感がして後を追う