結局、志木には全てをもう少し待ってくれと言われた。
スコーピオンのことも、東堂のことも。


次の日には母上は朝にあたしを起こしにきて、仕事に行くから今日から海外に立つと。

弱々しい姿から激変し、イキイキとした母上は、あたしを抱きしめて朝イチで空港へ向かった


よかった


今日は話さなくて済んだ


落ち着いたままアッチ帰れる


「杏様?久しぶりなんで、母さんの料理でも食べますか?」

「え、嬉しい!みのりさんの料理世界一美味しい!」


あたしが料理が好きになったのは育ての親で、志木の実母である、みのりさんのおかげだ


彼女の作るご飯やお菓子やケーキは、最高に美味しかった。
ほんとあたしの自慢のお母さんだ


「みのりさん!あたし、みのりさんの煮物食べたい!」

「杏ちゃん…煮物って渋いわね」


もっと女の子なんだから洒落たもの食べなきゃ。そう言ったが、みのりさんは嬉しそうに煮物の準備をしてくれている


やった!こっち戻って幸せを感じれる


思ったより早く帰れそうやし、泉にでもLINEしておこうかな