……

「わかった。とりあえず明日には戻るけど」


杏様は少し怪しみながらもそう言ってくれた。
私は…あの事件の後、杏様とは違い、彼女の運命を受け入れられなくて、死ぬほど調べた


寝る間を惜しんで、東堂から離れて…


そして



ある疑問に辿り着いた



この事を杏様に言ったらきっと、殴り飛ばされる。そして嘘でもそんなこと言うな。そう言うと思う


でも何かを見落としている気がする


あの日目の前で拉致された鈴様


そして杏様だけが呼ばれて…


……何かある






そう、私は…




いいや。こんなことは口には出してはいけない。私の中でとめておいて、真実を探す。


確証を得られれば、私は…



杏様に殴り飛ばされようが、あなたを助ける道を選びます


嫌われようが、二度と口を聞いてくれなかろうが




スコーピオン…サトルは私の手で…



あの日から私の前では泣かなくなった
涙も見せないように強さを保っていた

でもそれは、本当の杏様ではない




杏様がまた、自然と笑えるその日が来る事を祈って


……