【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


あぁ…心が苦しいな


「鈴ちゃん、今日はお母さんと一緒にご飯食べましょ?」

「えぇ、勿論ですわ。良ければですが、志木を呼んでもいいかしら?」

「ええ、構わないわよ?鈴ちゃん、志木と仲良しだったかしら?」


東堂財閥の呪いとも言える、隠された秘密を知るのは
この屋敷に住む、志木とみのりさんと
その時その場にいた東堂財閥に関わる警察の人のみだ



大嫌いなはずの、権力と財力を、あたしはあの日使ったんだ



鈴の遺体は見つかっていない。
でも、暴行を受けて、顔が腫れ上がって原形をとどめていない鈴は…


あたしがハッキリとみた



今も忘れることは出来ない



「お呼びでしょうか」


志木がノックをして部屋に入ってきた。
母上は志木には目もくれず、あたしにずっと話しかけている。いや…あたしにではない



鈴になりすました、あたしに話しかけている








あたしは杏や



「杏??」


名前を呼ばれハッとすると志木と一緒に廊下を歩いていた。あれ?母上は?