みのりさんが、杏ちゃん!そう叫んだが無視をする。あたしは今は杏ではない
鈴や!!!!
長い廊下を歩く。1つも息が上手く吸えない
重々しい扉を開けると、そこには大きなベッドに1人横たわる、弱々しい人がいた
あたしの母親である、東堂 蘭 が居た
「お母様。鈴です。ただいま戻りました」
志木を下がらせて部屋に2人になる
あたしの声を聞いて、目に力を無くしていた母上は、急にキラキラと輝いた目に変わった
「鈴ちゃん!鈴ちゃん!!あぁあたしの可愛い娘」
弱々しく病弱な腕があたしを引き寄せる
こんなにも、細くなられたか、母上
「留学はどうなの?ちゃんとできてるの?あなたの姿を見ないと不安で…急に呼びつけてごめんなさいね?」
「いえ、いいんです。お母様こそ、もう少しお身体に気をつけてください」
「そうね、鈴ちゃんが居るんだもん。弱ってたらダメよね!」
母上の生きる力は、鈴なんだ
あの日母上は、鈴の悲報を、1ミリも受け入れなかった



