【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


そして志木は目を閉じていった




「……鈴様にそっくりです」




あたしも思う。よう似てるわ。鈴が目の前に居るんやと勘違いしてまうほど、似ている


部屋に…
志木の母親が入ってきた。
あたしを育ててくれた、みのりさんが…



「あ、杏!?あんたなのか?」

「みのりさん、お久しぶりです」

「なんて事を…あんたは…まだ子供なのに」



みのりさんに力一杯抱きしめられた。こうやって、あたしが杏だと…そう分かってくれている人がいるだけで良い


「ごめんな?東堂財閥潰すわけには行かへん。たくさんの人がウチには居るから。あたしはその人達の人生背負ってる」


そう
今ここで、こうすることを辞めたら、東堂財閥は崩れる。一瞬にして。

でもそれは、ここに居る人たち全員を路頭に迷わせてしまうことに繋がる



それだけはしたらあかん



「母上に会いに行きます」



まだこの東堂財閥には、母上が必要や。

志木がこちらですと、案内をする

その顔は奥に怒りを潜めている顔だった