「あれ?なんで杏が泣くんだよ」
「は?泣いてへんわ」
「鼻水……」
そう言って響はあたしの涙と鼻水を服で拭ってくれた。
これ泉に貰った上着だから、俺の鼻水もついてるから、いいんだ
そう言って笑ってくれた
ちゃんとあたしを見て
泣いちゃうじゃないか。
「響、あんたは強い子だよ。弱くないよ。強くなりたいって思ったんだから」
そうだ。ちゃんと立ち向かっていった。強くなりたいと思って行動した
充分じゃないか。
あたしなんて、逃げて逃げて、抵抗しないことにした。弱い心のせいだ
ちょうどそこに泉と新が帰ってきた
2人ともかすり傷さえない。よかった
倉庫にいたメンバーの方が怪我しちゃった。
「ごめん、何人か怪我させた」
「お、俺が動けなかったから…」
響と2人で謝る。そうだ、あたし達は倉庫を守ってくれと言われたから。
「あいつらに聞いたけど、杏が居なかったら、もっと怪我してたって言ってたぞ?それに、響?少し心が晴れただろ?」
泉はそう笑っていた