【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

何の用だ?そう聞こうとしたが携帯の存在に気づく


「うわ、泉に掛けたままだった!」

「え?そーなん?おーい泉?」


携帯を耳に当てると、泉の声がする


「なげーよ。ずっと耳に携帯あてながら、殴ってたんだけど」


やりにくくてしょーがねーよ。そう笑っていた


「い、泉!黒蛇の総長が倉庫にきた。杏が目的だっていってた。それで…それで…あの女がきて、俺こわくて。逃げ出した。倉庫でメンバーを守るのが俺の役目なのに…俺は…」


杏の手がスッと肩に乗る


「でもちゃんと伝えようと電話かけてきたろ?それでいいんじゃねーの?まだ手は震えるか?息は苦しいか?」


んーん。震えもないし息も吸えてる



「杏が…あの女殴り飛ばしてくれた!!」



きっとそうだ。あの一発で心のモヤが晴れたんだ



後ろで杏は、クリティカルヒットやったで!と爆笑している

その声が聞こえたのか泉も、よかったなと笑ってくれた


もう大方、片付いて先に朔と慧が倉庫へ向かってくれているらしい。