【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


これも戦略のうちや!

と誇らしげにしていた。
バカが増えるぞ、これは…


泉は大きなため息をついて立ち上がり、軽く杏の頭を叩いていた


「負け惜しみか?!」

「うるさい。負けてねぇ」


口を尖らせる泉。こんな泉の姿を烈火のメンバーは見たことあっただろうか


少し顔を赤くして怒る泉を…


きっとみんなが思った。あぁ、この総長の下に居れてよかった、と

いつもはクールで喧嘩はバカ強く、頼り甲斐のある総長。
ただ隙はなく、下の奴らからすると、少し近づきにくかったと思う。憧れではあったが。

幹部メンバーの俺たちは、下の奴らとも遊んだり、喧嘩教えたりしているが、泉は少し遠い存在だと言っていた


それが見てみろよ

あんな、どこにでも居る男の顔をしているんだ



もっと好きになるだろうな、泉を



「……引き分けだ」



この勝負は。そう泉が言い、また倉庫内で大爆笑がおこった。
泉は負けず嫌いだからな。いくら杏相手でも、怪我させないように勝とうとしていたはずだ。