【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


「朔さん…あの子…」

「うるせぇ。ちゃんと見とけ。お前らに認めてもらいたくてやってんだ」

はい…そう呟き周りはまた二人に集中する。


「あかんわー。久しぶりすぎて息上がってきた」

「降参するか?」

「アホいいなや。せっかく楽しくなってきたのに」

そう言いながら拳を泉にぶつける。
片手でそれをいなし、足を払うが、ピョンと可愛く杏は飛んで、また足技を出す

泉は少し手加減しているようにも見える気もするが…息は上がっているし、少しずつ杏の拳も当たっている


だが…

やはり男と女の差だろうか


杏が押され出した
無理もない…だって泉も本気を出してきているから。あのままじゃ押されると思ったんだろうな


俺なら五発目くらいで、やばいの食らって悶絶してそうだな…ははは
想像して苦笑いしかできない


「なんなん!全然当たらへんやん。しんど」

「…はぁ、さすがに疲れてきた」

「こうなったら、必殺技使うしかないな」



突然杏はそう言って、制服をパンパンと叩く

必殺技?
こいつ泉と同じで19歳じゃなかった?
いい歳した女から必殺技なんて言葉でてくるのかよ