【全巻完結】愛は惜しみなく与う①



「志木?今大丈夫?」

『おはようございます。どうかなさいました?』

「いや、志木に謝らなあかんことあって」

『珍しい。何ですか?』

「あのな?あたしまだ学校一回も行ってへんねん。嘘ついて行ってるゆうたけど…ほんまはまだ行ってへん。それに仕送りしてくれてるお金も手つけてへん」

『……知ってましたが?』

「え?何を知ってたん?」

『今言ったこと両方ともですが?』

「学校行ってないの知ってたん?なんで?」

『あなたの担任から、初日に学校に来なかったと電話が来たので。これは学校に行かないつもりだな、と思ってましたので』

「え?担任?なんで志木に電話行くの?」

『保護者の欄に、わたしの携帯番号を書いておいたので』

「ほなずっと知ってたのに言わへんかったん?」

『言って欲しかったですか?わたしはただ、あなたが決めた期限まで、楽しく過ごしてほしいと思ってるだけなので。学校が嫌なら行かなくていいです。その変わり、楽しくなさそうなら、すぐにでも連れ戻そうとしています』