「杏、もう少しここに居ていいか?」
そんな優しい声が出るんやね。あの路地では、なかなか威圧的な感じやったのに。
まぁなんやろ
拾ったんあたしやし
「好きにしてええよ。カレーできるまで、あっちの部屋で待ってて」
もうこんな事無いと思ってたのに。
少し昔を思い出してしまった。
志木も…
昔そんな感じやったな
志木もあたしに拾われたって言ってた。
大人しく言うことを聞いて、テレビのある部屋に、泉は入っていった。
こっちで、こんな事するつもりはなかったのに。
ひっそりと過ごして、約束の日まであたしは、ただただ生きる。
寂しい話やな
スパイスを入れて味見してみる。
うん
美味しくできた。
ピーンポーーン
…珍しい。誰かウチに来た
部屋番号間違えてるんちゃうやろか?
手をさっと洗いインターホンに近づく。
そこにはガラの悪そうな男が4人…
まさか泉のこと追ってた奴?いや、なんで場所わかったん?
居留守してやろうか悩んだとき、でかい声がモニターから聞こえた。
" もしもーーーーし!居るのは分かってんだよ!さっさとここ開けやがれ! "



