【全巻完結】愛は惜しみなく与う①



「杏の嘘は、誰かのためについてる嘘だろ?」


顔にかかる毛をサラっと退ける。
肩くらいのボブの髪は、シーツに広がる

……かわいい


はぁ…烈火に所属してから約5年。女には触れてはいなかったんだ…
これはただの俺の中のルール

べつに烈火にそんな掟はない


「手を取ってくれるんだよな?本当に」


杏の眠る姿を見て心が癒される。なんでこんな気持ちになるんだろうか

このまま同じ部屋にいては、何かしそうだから部屋をでよう。

コンビニにでもいくか…
あ、一回出たらオートロックで開けれないのか


うーん
朔に持ってきてもらうか。さすがに昼も色々考えて食べれなかったし、夜は…杏の家から帰ったら食べようとしていた。


でも…

さすがに帰れない


杏の手を離し部屋を出ようとしたが、杏は俺の服を掴み直した


置いていかないで


そうまた悲しそうな声で言った



……
ベッドに肘をつき杏の顔を見る


「何を抱えてるんだよ、全く」


起きてる時も、寝てる時みたいに素直ならいいのにな