【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


少し握る手に力を入れると、杏は、んーーと言い何かブツブツ呟いた



お母さん……あたし、杏やで



???お母さん?
そう言えばここには一人で引っ越して来たんだよな?



あたしを見て





呟く杏の瞳から涙がこぼれた

手が震える。


どういうことだ?

こんな華奢な身体で何を抱えている?何が杏をこんな風にまでしてしまったのか


起きそうにないからベッドに運ぶ
軽い…

あの時はすでに黒蛇の奴らは倒れていた。いったいどんな戦い方をしたら、全員気絶するんだよ

血もほとんど出ていない男たちは
ただ気絶しているだけだった


はぁ…

ふわっとベッドにおろし、布団を首元までかける。

とりあえず俺は…杏には、笑って欲しいだけだ

こんな気持ちになることは、自分でもよく分からない。
だってまだ…出会って3日


なのになんで…