【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

「……俺はアホでもボケでもカスでもない」

「わかっとるわ!真面目に返すな」


脇腹に一発いれる
「いって」
そう言う泉の腕の力は緩まない

離してよ

仲間や友達…もういらんねん
あたしはもう充分与えてもらったから
もういらん

お腹いっぱいや



「あたしな、嘘ついてる。いっぱい。大事な友達にも嘘ついて、サイテーやねん。自分の事しか考えられへんねん」


あんなに大事やった、薔薇のみんなにも嘘をついて、志木にも嘘をついて…



「じゃあ、自分にも嘘ついてんのか?」



そう…自分の本当の心にも嘘をついている
だってそうせな


「嘘つかな、もう自分のこと保てへんねん」


少しでも本音を言うと


今みたいに涙が止まらへんくなるから。暖かい場所が恋しくなるから。この腕を振りほどけへんから

あたし今どんな顔してる?

ぐいっと引き剥がされて泉と目が合う





「ぶさいく」





そう言って泉は微笑んだ。その瞳は涙でうるんでいた


その泉の顔が、あたしの視界にいっぱいになった