「凛…」
不意に見つめられたその顔に、期待してしまうような弱い自分。
蕩けるくらい無防備に…微笑んで「特別だよ」なんて。
胸が張り裂けて悲鳴を上げる。
この愛しさは一体、どこに隠せばいいの?
「凛……好きだ…振られるの覚悟で、言っとく」
優しい声で名前を呼んで、男女の友情なんて…そんな薄っぺらいモノに、この関係を繋がないでよ。
心が悲鳴を上げて壊れそうだよ。
特別じゃなくてもいいから、貴方の前ではただ、女でありたい。
弱さを見せ付けて、開き直って…飛び込んでいければ・・・。
だけど、私は…またキミに向かって微笑むよ。
言えない想いを揉み消すように。
キミが好きだよ。
だけど言わない。
こんな想いもいつかはきっと。
愛しいと思える過去になるから。
Fin.



