「良い事ってなに?」
質問をしながらも、カズヤの考えることに良い事があったためしがないと気が付いていた。
どうせまた、くだらないことなんだろう。
「この鍵のスペアを作るんだ。そうすれば水曜日でもゲームができる」
カズヤの持っている鍵が蛍光灯に照らされてキラキラと輝いて見えた。
毎日ゲームができれば、そりゃあ楽しいけれど……。
思わずカズヤの意見に流されてしまいそうになり、あたしは左右に首を振った。
「……ダメだよ。そんなことしちゃあ」
反対意見を言ってみたけれど、自分の声が信じられないくらい小さくなっていた。
それくらい、カズヤの考えは理想的だった。
だって、この部屋にはあたしたちが知らないゲームや遊び道具が溢れている。
毎日部活に参加してプレイしても、卒業までに制覇することはできないだろう。
そう考えると、鍵のスペアは喉から手が出るほどに欲しかった。
「別に、お前らに貸してやるなんて言ってない。俺が1人でスペアを作って、俺が1人で使うんだ」
カズヤの言葉にあたしとイクヤは目を見交わせた。
口出しできないように言ったのだろうが、ただの我儘にしか聞こえない。
「じゃ、お前らはここで待っててくれ。すぐにスペアを作ってくるからな」
止める暇もなく、カズヤは鍵を持って部室を出て行ってしまったのだった。
質問をしながらも、カズヤの考えることに良い事があったためしがないと気が付いていた。
どうせまた、くだらないことなんだろう。
「この鍵のスペアを作るんだ。そうすれば水曜日でもゲームができる」
カズヤの持っている鍵が蛍光灯に照らされてキラキラと輝いて見えた。
毎日ゲームができれば、そりゃあ楽しいけれど……。
思わずカズヤの意見に流されてしまいそうになり、あたしは左右に首を振った。
「……ダメだよ。そんなことしちゃあ」
反対意見を言ってみたけれど、自分の声が信じられないくらい小さくなっていた。
それくらい、カズヤの考えは理想的だった。
だって、この部屋にはあたしたちが知らないゲームや遊び道具が溢れている。
毎日部活に参加してプレイしても、卒業までに制覇することはできないだろう。
そう考えると、鍵のスペアは喉から手が出るほどに欲しかった。
「別に、お前らに貸してやるなんて言ってない。俺が1人でスペアを作って、俺が1人で使うんだ」
カズヤの言葉にあたしとイクヤは目を見交わせた。
口出しできないように言ったのだろうが、ただの我儘にしか聞こえない。
「じゃ、お前らはここで待っててくれ。すぐにスペアを作ってくるからな」
止める暇もなく、カズヤは鍵を持って部室を出て行ってしまったのだった。