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「オフィーリア……」

俺はそっと指先で彼女の頬に触れながら、苦笑地味た笑みを浮かべた。

「オフィーリア……お前と初めて会った日のこと……今でもよく覚えてるよ」
 
そう言って目を閉じ、初めて会ったあの日の事を思い出す。

「まったく……あの時の俺は本当に最低だったよな。……お前に大爆発(エクスプロージョン)なんて言う魔法をぶつけてさ」
 
言葉を紡いでいく中で、彼女との思い出がたくさん頭の中を過ぎって行った。

彼女との思い出が溢れて来て、俺は震える指先で彼女の唇をなぞった。

「それから……お前と一緒にカフェに行って、初めて街を一緒に歩いて……お前は凄く嬉しそうだった」
 
初めて街を歩いた時の彼女の笑顔、初めてケーキを食べた時の笑顔、俺はお前の笑顔が見れるだけで幸せな気持ちになった。
 
お前の笑顔を見る度に、もっとお前を笑顔にしてやりたいと思ったんだ。

「でも……俺は夜よりも深い闇を……心の奥底に抱えていた。そんな俺の闇を……お前は光で照らしてくれた」
 
オフィーリアが居なかったら、きっと俺は今も自分の命を使ってクラウンを殺そうとしていただろう。

しかしお前が思い出させてくれた。
 
生きたくても長く生きらられない人が居ること、自分が死んでしまったら誰かが悲しむこと、自分のために死んでしまった人の分まで精一杯生きること、お前のおかげで思い出す事が出来たんだ。

「その頃から……俺はお前を守りたいと思うようになっていたんだ。きっとその時にはもう、お前の事が好きだったのかもしれないな」
 
俺はオフィーリアの体を強く抱きしめる。

「最初は……お前を好きになるとは思ってもいなかった。でも俺は……お前にどんどん惹かれていった」