ママの手料理

湊さんが場を仕切り、新たに言葉を付け加えた。


「あ、もう勘づいてると思うけど、僕らは…血が繋がってないんだ。だから父親役とかって役割があるんだけど………。後、僕らは生き方が分からないから、一緒に住んでるんじなゃくて一緒に生きてるんだ。…だから、こう、なんて言うか……」


そこで彼が口ごもると、


「とにかく、一緒に生きようって事!辛くても、同じ辛さを抱えてる人と一緒に居れば何か平気になるでしょ?それと同じ!生き方が分からない人達は皆似たような経験してるから、そういう人達と一緒に居るとハッピーになれる!って感じ!」


すかさず、隣から大也さんが助け舟を出した。


「…はい、」


血が繋がっていないのに家族と名乗れるなんて普通に凄いと思うし、“一緒に生きている”という表現も凄く良い気がする。


私に、合っている気がする。


「いや別に、そんな綺麗事は無い気がするけどね。同じ辛さを抱えてる人と一緒に居ると平気になるなんて」


「毎日ハッピー……って訳でもないですけどね」


ナルシストさん…仁さんとサングラスを掛けている人…航海さんの突っ込みを流しながら、


「分かりました」


と、私は頷いた。


大也さんや湊さんは、こくりと頷き返してくれた。