ママの手料理

双子の弟が居るんだ…良いなぁ、と思いながら頭を下げて挨拶をすると。


「…ナルシスト?ナルシストって言った今?誰そんな事吹き込んだ奴殺すよ」


ナルシストさん……いや、仁さんは辺りをぎろりと睨み回しながらそう言った。


もちろん、それに怯んだ人は1人も居なかったけれど。



「じゃあ次は僕ですね」


続いてそう言って立ち上がったのは、例のサングラスを掛けた男の人。


「山崎 航海(やまざき うみ)、高校1年の15歳です。多分同い年だと思うので、宜しくお願いします」


見た目からしてこの中で最年少だと思われる彼……航海さんの何ともシンプルな自己紹介に、テーブルの周りに座る男性陣からは、


「航海ちゃーん、役割言ってないけどどうしたの」


「ちょっとサングラスの事言わないの?茨の道を避けて通れると思ってるのねあなたは!もう知らない!」


からかう様な声や、何故か作った様な甲高い声が聞こえてきて。


「あ、ごめんなさい、緊張してて…。役割は末っ子で、…別に短期間しか居ないのなら、詳しく説明しなくても大丈夫ですよね?僕は色んな意味で目に異常があるので、サングラスを付けてます。以上です」


加えて説明をした航海さんは、恥ずかしいのか頬を赤くして席に座った。