ママの手料理

そして、


「だから、こいつをしばらくの間此処で泊まらせるのはどうだ?……って上から指示も来てるんだが」


と、皆に提案した。


(え、それは無理だよ急過ぎるし!)


慌てて私が口を開いた時には、時既に遅し。


「えーめっちゃ賛成!それいいそれいい!俺賛成に1票」


「野宿よりは良いんじゃないかな?部屋余ってるし」


「…どうせ短期間なんだろ?なら別にこっちに支障は出ねぇだろ」


静まり返っていたリビング内が急に騒がしくなった。


しかも、その内容は全て賛成意見のものばかり。


「……決まりだな」


そう言ってにやりと微かに口元に笑みを浮かべた琥珀さんに、初めて感謝の気持ちが沸き起こる。


「……ありがとうございます、短期間ですが宜しくお願いします、…!」




短期間といっても期間は分からない。



それでも、2回目の家族の死の翌日。



私は、新たに帰る場所を見つけた。