ママの手料理

「お葬式、参加出来ないんですか……?」


声が震えているのが自分でも分かる。


「俺が聞いた話だとな。参加したけりゃ親戚に直談判でもしろ」


私のこのどろどろとした感情を汲み取っているのかいないのか、ぶっきらぼうに答える琥珀さんの声を聞くと切なくなって泣きそうになってくる。


「そんなに落ち込まなくても大丈夫ですよ。僕の両親が死んだ時、僕は自分の意思でお葬式に行かなかったんですから」


サングラス越しの目を細めてそう言ってくれた彼の言葉も、いまいちフォローになっていない。


「そりゃあお前が………したんだから当たり前だろ」


「いや、正当防衛ですけどね」


その後の彼と銀河さんの不思議な会話も耳に入らず、私は口を開けたまま固まっていた。


(何で親戚はそんな判断をしたんだろう…私が邪魔なのかな、だから引き取りにも来ないのかな、)


その答えは、少し考えただけで見つかった。


(違う。私が皆を死なせたからだ。前の家でもそう、全部私のせいなんだ)


そうやって結論を出してから冷静に物事を考えてみると、意外と感情が高ぶることはなくて。



「…分かりました、」


私が先程までと打って変わって考えを変えたから、琥珀さんも少し驚いたのか片眉を上げた。