ママの手料理

導かれる様に男性だらけの輪の中に入って椅子に座った私の後方からは、


「あー、あれはやっぱ事件だな。それと俺が思うに、丸谷家は誰かが来る事を分かっていた可能性が非常に高い」


衝撃的な台詞が聞こえてきた。


「え、何それ何それ?自分達が殺されるの分かってたって事!?」


瞬間、私が何かを言うよりも早く大也さんが金切り声を上げて。


「…るせぇな黙れクソが、後で説明すっから」


彼は、かなり大きめの舌打ちで大也さんの言葉を遮った。


「…はい」


しょぼんと俯いた大也さんの髪を弄りながら、


「じゃあこの子はどうなるの?その…みらい養護園に行くって事?」


と聞いたのは、湊さん。


「いや、そこにこいつが行っちまったら事情聴取が大変だから、当分はそういう所に預けねぇ方針だ」


「じゃあ、親戚の所とか?」


ナルシストのあの人がそう聞くと、


「んーどうなんだろな。さっき中森から聞いた話によると、丸谷家の葬式は親族のみ…つまりこいつ抜きでやるらしいし、多分短期間で引き取り先が見つかるのは難しいんじゃねぇか?」


いつそんな情報を手に入れていたのか、琥珀さんの口から恐ろしい言葉が飛んで来て。


「え、?」


思わず、私は声を上げていた。