ママの手料理

(えっ?偽装?)


警察官よりも早く情報を見つけ出して推理までしている彼らに驚きを隠せない私に誰も気付かず、彼らはパソコンを見ながら意見交換をしている。


「でも結局はどうやって処理されたの?」


あのナルシストの人が髪をかきあげながら質問をして、


「事故。家が全焼だからサツもお手上げだったのかもな」


テンポ良く銀河さんが答える。


「もし放火だったとして、彼らは誰かに何か恨まれるような事をしたんでしょうか?」


「いや………。近所の発見者、52歳の荒川 次郎(あらかわ じろう)って奴のインタビューによると…両親は優しく大人びていて、娘さんも元気で可愛く、誰からも恨まれる事はしていないと思います…だとよ」


(あ、あのおじさんだ……)


その名前には聞き覚えがある。


あの日、私に一目散に駆け寄ってきて私の目を塞いだあの人だ。


「ふーん、荒川次郎ね……。隣の伊織に聞けば何か分からないかな?」


そこで、一旦テーブルの周りに静寂が流れ。



「あれ、紫苑ちゃん。何でそこに突っ立ってるの、こっちおいで?それで琥珀、事情聴取はどうだった?」


私達の存在に気付いていなかったらしい湊さんがようやく私達に気づき、おいでと手招きをした。