ママの手料理

パソコンを弄る黒髪の銀河さんや大声を上げた大也さん、そんな彼に向かって溜め息をついたナルシストの人から私の個人情報の様な単語が次々に聞こえる中、彼らはまた話し合いを続けてしまった。


朝に湊さんが言っていた通り、討論をしているのだろうか。



「理由は書いてあるんですか?」


「んー………両親が火事で死亡だとよ」


「火事!?…それいつ何処で起こったとか書いてない?」


「そう騒ぐなって、すぐ見つけるから」


テーブルに置いたパソコンのキーボードを物凄い勢いで叩いている銀河さんの周りには、私と琥珀さん、そして此処には居ない笑美さんを除いた全員が集まっていて。


「それにしてもこんな事ってあるんですね、家族を2回も亡くすなんて」


サングラスを掛けている人がしみじみとそう言うと、


「そうだよな………って、あったわ。火事は5年前の11月24日、生き残りは家族3人の内、娘のみ…っていう新聞記事が」


同意をした銀河さんは、棒読みで新聞記事の文章を口に出した。


「それ放火?事故?」


パソコンを覗き込んで聞いているのは、湊さん。


「んー、ガス漏れらしいけど、台所の裏口近くのこの位置だと………、普通に灯油でもぶっかけてライター付けとけば偽装は出来んじゃねぇの」