「……事情聴取は終わりだ。チビ、少ししたら一緒に帰るから廊下で待ってろ」
私の顔を見ながら何かを考えていた琥珀さんは、急に大きな音を立ててテーブルに左手をついて立ち上がると、
「お疲れ」
と、私と中森さんに後ろを向いたまま声を掛けて部屋から出て行ってしまった。
「丸谷さん、お疲れ様でした。また事情聴取だったり何なりをすると思うので、そのときは宜しくお願いします」
続いて、中森さんも私に軽く一礼して資料を片手に部屋から出て行ってしまって。
遂に、パソコンに何かを打っている警察官と2人きりになってしまった私は、
「ありがとうございました」
とだけ言ってその部屋を後にした。
(…全部、私のせいなんだよなぁ)
部屋から出て目の前のソファーに座った私は、目の前を通る警察官の人や一般人をぼーっと目で追いかけながらそんな事を考える。
5年前の火事の日、どうして両親は先に下りなかったのだろうか。
あの日、どうして私はぐだぐだと駄々をこねて自分が降りる時間を遅らせてしまったのだろうか。
あの日、どうして私はシーツを下に引っ張ってしまったのだろうか。
シーツを引っ張るのが合図だったけれど、それをしなければ両親は降りれたはずなのに。
私の顔を見ながら何かを考えていた琥珀さんは、急に大きな音を立ててテーブルに左手をついて立ち上がると、
「お疲れ」
と、私と中森さんに後ろを向いたまま声を掛けて部屋から出て行ってしまった。
「丸谷さん、お疲れ様でした。また事情聴取だったり何なりをすると思うので、そのときは宜しくお願いします」
続いて、中森さんも私に軽く一礼して資料を片手に部屋から出て行ってしまって。
遂に、パソコンに何かを打っている警察官と2人きりになってしまった私は、
「ありがとうございました」
とだけ言ってその部屋を後にした。
(…全部、私のせいなんだよなぁ)
部屋から出て目の前のソファーに座った私は、目の前を通る警察官の人や一般人をぼーっと目で追いかけながらそんな事を考える。
5年前の火事の日、どうして両親は先に下りなかったのだろうか。
あの日、どうして私はぐだぐだと駄々をこねて自分が降りる時間を遅らせてしまったのだろうか。
あの日、どうして私はシーツを下に引っ張ってしまったのだろうか。
シーツを引っ張るのが合図だったけれど、それをしなければ両親は降りれたはずなのに。



