「あ、宜しくお願いします……」


そして、女性警官に挨拶をされた私は、


(あ、ペアって事は、昨日琥珀さんが電話をしてた人はこの人かな)


と考えながら、挨拶を返した。



そして、すぐに話は本題に入った。


「……一応この件は事件性が高まってる。だから、昨日、どういう経緯で家族が殺されたかを話して欲しい」


家族と一緒に、直前まで何をしていたか、何について話していたか、思い出せる限り詳しくな、と、足を組んだ姿勢を保ったままの彼は私の目を見て促した。


「………昨日は、私はずっと家で勉強してて……。それで夕方、お父さんに隠れんぼをしようって誘われて」


「何で隠れんぼをする流れになった?」


ゆっくりと口を開くと、阿吽の呼吸で質問がされる。


「……良く分からないです、急に言われたから…」


「……なるほど。おい中森、ちゃんと書いとけよボケ」


「いや書いてますけど」


琥珀さんはまた中森さんに指示を出し、中森さんはすかさずそれに応答した。


こうやってみると、彼らは良いコンビなのかなとも思う。


「…それで?」


琥珀さんに尋ねられ、私はまた答える。


「それで、言われたとおりに隠れたんです。私はクローゼットの中に、兄弟達はカーテンの後ろと、押し入れの中と、ベランダと、あと多分、床に畳まれてた布団の中に…っ、」