その横では、


「琥珀さん、それでどうなったんですか」


昨日と同様、サングラスを掛けたあの人がこの中で唯一目を瞑って眠そうな様子の琥珀さんに話し掛けて。


「あー、だから今は事件に巻き込まれた可能性が非常に高いとみて捜査してる。でも、なんせ夜だし今の所ホシは手がかり残してねぇし、後でこの子を警察署に連れて行くけどどうなるんだろうな」


琥珀さんがかなりだるそうに答えた瞬間、


「君一旦寝たら?見てるこっちまで眠くなるから」


「え、待って、紫苑ちゃんは警察署に行ったら此処に戻って来れるの?」


「隣の情報屋に聞けば何か分かるんじゃねえのか?」


「ねえこんな話止めて朝ごはん食べようよ。お腹空いたの僕だけ?」


瞬く間に私を除いた全員が口を開き、わちゃわちゃと好き放題に皆が意見を言い始めた。


(…………)


1人取り残された私が空気化していると。



「はーいはいはいはい、皆静粛に!静かに、ちょっと黙って。ほら航海、お喋りしない!」


私と同じくその会話を外から聞いていた湊さんが突然、パンパンと手を鳴らして声を張り上げた。


その声に反応して静まり返った部屋で、湊さんは私を含む皆を見て微笑んだ。