その瞬間、


「……どういう事なの?」


「ごめん何でそうなってたの凶器は何?犯人の動機は?」


「真っ赤な世界ですね、」


ほぼ同時に、リビング内で何人もの人の声が飛び交った。


「こんなに話していいのか知らねぇけど、鑑識達が言うには…まずホシが死に至る深い傷を付けるだろ、それで完全に人が死んだ後に、何度も何度もその遺体に傷を付けたらしい」


他の人からの質問を全て無視した琥珀さんが説明し終えると、リビング内には長い沈黙が流れた。



「で、そういう風に人を傷つける理由として挙げられるのは…、」


しばらくして、また琥珀さんの声が聞こえて。


「うんうん」


「つまり?という事は?」


何人もの声の中でも、一際大きい仁さんの声だけがはっきりと分かる。


「警察としての見解から言うと、ホシはあの子の家族に深い恨みを持っていたか、もしくは、」


また沈黙が流れて。


「殺人をする事に快感を覚える、サイコパスだな」


琥珀さんが言い終えた、その瞬間。


「おはよう、朝からこんな話を聞かせちゃってごめんね」


いきなりドアが開き、エプロン姿の湊さんが私の腕を引っ張ってリビングに連れ込んだ。