そう思いながら2階にたどり着くと。


目の前に長い廊下があり、その両端に6個ずつの合計12個のドアが姿を現した。


「えーっと、右側の手前が湊、その奥が銀河……って、この紹介はいらないか。…取り敢えず、紫苑ちゃんは左側の奥から3番目の部屋を使って欲しい。その目の前の部屋が俺の部屋だから、寝れないとか何かあったら気軽に声掛けてね」


何部屋か電気が付いていたり、ゲームの音が聞こえていたり、


「勝った!」


「ふざけないで下さい、ずるしてるじゃないですか」


等という声が部屋の中から聞こえる中、私達は奥へ奥へと進んで行った。


そして部屋に着くまでの間に、私は彼に尋ねてみた。


「あの、どうして大也さんの髪の色は白…っぽいんですか?」


単純に、その色が綺麗で良いなと思ったから聞いてみたのだけれど。



「……そういう病気だから。俺、髪の色素が抜けちゃう病気なの」



自分の部屋の前でぱたりと足を止めた彼の声はとんでもなく低くて、何処か悲しそうだった。


(あ…待って、やばかったかも)


もしかして、いけない事を言ってしまったかもしれない。


瞬間的にやばいと悟った私は、


「病気とは知らなくて…。ごめんなさい」


急いで謝罪の言葉を口にした。