『家族皆が揃って、笑顔で過ごせますように』
私がmirageというサンタに頼んだその願いは、叶ってはいない。
大也は意識不明だし、裏切り者の伊織に至っては今頃尋問でも受けているだろう。
確かに荒川次郎は死んだから私の復讐劇は終わったし家族は報われたかもしれないけれど、それはハッピーエンドにはならなかった。
何度も死にたいと考え、何度も私のせいだと自分を責めた。
けれど、これからはもう大丈夫。
私には“mirage”という心強い家族が居るし、何よりもう生きる事を諦めたくない。
ずっとOASISから逃げ、隠れ続けた隠れんぼ生活ももう終わりだ。
私は、これからは怪盗mirageと共に歩んでいく。
ふっと顔を上げると、こちらを向いてケーキやチキンを持ったまま笑っているmirageの面々の姿がガラス越しに見えて。
それに呼応するかのように、私も笑顔を作った。
『ママの手料理Ⅱ』に続く



