ママの手料理

「お前ら馬鹿か、チキンはケーキにつけて食べんのが王道なんだよ」


「気持ち悪いよ銀河、何してるの本当にもう…」


パソコンを肌身離さず持ち歩き、何故かケーキにチキンをつけて食べている銀ちゃんと、そんな彼を見て大袈裟にため息をつく湊さんの様子も、いつもと変わらない。


違うのは、この場に大也が居ないことと、伊織が書類送検されていること。





「伊織って、結局どうなるの……?」


甘さ控えめのチョコレートケーキを食べながら、私が不意にそう呟くと。


「…ああ、あいつか。あいつなら」


チキンを食べていた銀ちゃんが口を開き、


「あいつなら……、牢屋に入って、しっかり反省したらまた社会復帰するだろうよ」


代わりに答えたのは、琥珀だった。


「…また、mirageの所に戻ってくるのかな…?」


「……どうだろうな。OASISも解体したし、あいつの血の繋がった家族はいないも同然だ。…あいつ次第だな」


琥珀は、眉間に皺を寄せながらそう答えた。



琥珀は、きっとこれからも伊織の事を許さないのかもしれない。


それでもあの日、伊織が泣きながら自分はmirageの家族だと言った時、琥珀は“言えたじゃねぇか”と言っていた。


つまり、琥珀は彼がまた戻ってきても大丈夫だということで。