琥珀の持つドロドロとした感情は、きっと私のそれと同じかそれ以上に大きいはずだ。
銃を持ったまま前髪をかきあげた彼の目には、怒りと憎しみの炎がメラメラと燃え上がっていて。
琥珀が長い間、本当に本気でこの瞬間を待っていたことが容易に伝わる。
自分の右腕を怪我させた犯人に復讐する、この瞬間を。
「…んな事、今更言っても遅いけどな。家でお前に会う度に殺したくて殺したくてしょうがなかったけどよ、これでようやく長年の夢が叶うわ」
ふっと笑った彼は、次の瞬間すっと顔色を変え、冷ややかな蔑んだ様な目で伊織を睨んだ。
「俺は、お前を一生許さねぇ」
カチャリと、彼の持つ銃のスタンドの外れる音が聞こえる。
(駄目、)
瞬間、琥珀が今から何をしようとしているのか分かってしまった私は、必死でぶんぶんと首を横に振った。
(お願い、殺すのだけはやめて!)
そのお陰で伊織の持つナイフが首に一層食い込むけれど、今はその痛みなんてどうでも良かった。
というより、この距離で発砲したら伊織だけでなく、彼の前に立つ私も巻き添えを食らってしまう。
「待って琥珀!紫苑が前に居る、危ない!」
慌てて琥珀を制止しようとする湊さんの叫び声も、興奮状態にある彼には届いていないようで。
そんな彼が、ゆっくりと息を吸うのが見えた。
私は、思わず目を瞑った。
銃を持ったまま前髪をかきあげた彼の目には、怒りと憎しみの炎がメラメラと燃え上がっていて。
琥珀が長い間、本当に本気でこの瞬間を待っていたことが容易に伝わる。
自分の右腕を怪我させた犯人に復讐する、この瞬間を。
「…んな事、今更言っても遅いけどな。家でお前に会う度に殺したくて殺したくてしょうがなかったけどよ、これでようやく長年の夢が叶うわ」
ふっと笑った彼は、次の瞬間すっと顔色を変え、冷ややかな蔑んだ様な目で伊織を睨んだ。
「俺は、お前を一生許さねぇ」
カチャリと、彼の持つ銃のスタンドの外れる音が聞こえる。
(駄目、)
瞬間、琥珀が今から何をしようとしているのか分かってしまった私は、必死でぶんぶんと首を横に振った。
(お願い、殺すのだけはやめて!)
そのお陰で伊織の持つナイフが首に一層食い込むけれど、今はその痛みなんてどうでも良かった。
というより、この距離で発砲したら伊織だけでなく、彼の前に立つ私も巻き添えを食らってしまう。
「待って琥珀!紫苑が前に居る、危ない!」
慌てて琥珀を制止しようとする湊さんの叫び声も、興奮状態にある彼には届いていないようで。
そんな彼が、ゆっくりと息を吸うのが見えた。
私は、思わず目を瞑った。



