「お前はジジィに脅された。『mirageの琥珀の右腕を銃で撃った上にナイフで刺したのはお前だ。この事をばらされたくなければ丸谷紫苑を誘拐しろ』ってな」
「…んなわけ」
琥珀の言っている事はあくまで仮説であり、真実ではない。
けれど、ここまで伊織の声に焦りが滲み出ているという事は、似たような事を荒川次郎に言われていたのかもしれない。
「まさか自分が俺の右腕を傷付けた張本人だと思っていなかったお前は焦った。俺が犯人を殺したい程憎んでる事を知ってるから、尚更な。…そんでもって、チビを誘拐した」
他のmirageのメンバーは、静かに琥珀の声に耳を傾けている。
「…だがなぁ、お前は大きな間違いを犯した」
琥珀がごくりと唾を飲む音が、やけに大きく聞こえた。
「…俺はお前が真実を知るもっとずっと前から、知ってたんだよ。…お前が犯人だってなあ」
「…!?」
初めて明かされたその事実に、私はおろか、伊織までも息を飲んだ。
(どういう事…いつから知ってたの、?)
mirageの中に犯人が居ると分かった時、琥珀は何を思っただろう。
いつもは気丈に振る舞っているけれど、彼が自分の使えない右手を見て悔しそうな顔をしている姿を、私は何度も目撃した。
「…んなわけ」
琥珀の言っている事はあくまで仮説であり、真実ではない。
けれど、ここまで伊織の声に焦りが滲み出ているという事は、似たような事を荒川次郎に言われていたのかもしれない。
「まさか自分が俺の右腕を傷付けた張本人だと思っていなかったお前は焦った。俺が犯人を殺したい程憎んでる事を知ってるから、尚更な。…そんでもって、チビを誘拐した」
他のmirageのメンバーは、静かに琥珀の声に耳を傾けている。
「…だがなぁ、お前は大きな間違いを犯した」
琥珀がごくりと唾を飲む音が、やけに大きく聞こえた。
「…俺はお前が真実を知るもっとずっと前から、知ってたんだよ。…お前が犯人だってなあ」
「…!?」
初めて明かされたその事実に、私はおろか、伊織までも息を飲んだ。
(どういう事…いつから知ってたの、?)
mirageの中に犯人が居ると分かった時、琥珀は何を思っただろう。
いつもは気丈に振る舞っているけれど、彼が自分の使えない右手を見て悔しそうな顔をしている姿を、私は何度も目撃した。



