「黙って人の話を聞け。…んで、当日。俺は密かに仕込んでおいたGPSを使って、お前が何処にいるかを割り出した」
その場に渦巻く壱さんの怒りを何とか静めた銀ちゃんは、壱さんに続いておもむろに話し始めた。
「は…?俺の携帯のGPSは切ってある、追えるわけねーだろ!」
途端、私の真後ろで叫ぶ裏切り者に、
「いや、本体じゃねえ。…クリーナーだよ」
ふっ、と微かな笑みを漏らした彼は、おもむろにポケットから自分の携帯を取り出した。
そこには、私がもらったのと同じ携帯クリーナーのストラップが付いていて。
「これ、俺が作ったGPS付きのクリーナーなんだよなぁ。予想通り、紫苑の携帯はお前が取っただろうから位置は分からなかったが…。お前が鈍感で助かったよ、すぐに居場所が分かった」
(あれ、そうだったんだ…)
実は、私が彼から頼んでもいないのにあのストラップを渡された時、
「絶対つけとけよ」
と、しつこく言われていた。
あそこまであのストラップにこだわる理由は、GPSがついていたからなのか。
納得してしまった私は、思わず肩の力を抜いた。
一体、彼らはいつからこうなる事を予想していたのだろう。
彼らの思考回路に、私は到底追いつけない。
それは、たった今ネタばらしされている伊織にも言える事で。
その場に渦巻く壱さんの怒りを何とか静めた銀ちゃんは、壱さんに続いておもむろに話し始めた。
「は…?俺の携帯のGPSは切ってある、追えるわけねーだろ!」
途端、私の真後ろで叫ぶ裏切り者に、
「いや、本体じゃねえ。…クリーナーだよ」
ふっ、と微かな笑みを漏らした彼は、おもむろにポケットから自分の携帯を取り出した。
そこには、私がもらったのと同じ携帯クリーナーのストラップが付いていて。
「これ、俺が作ったGPS付きのクリーナーなんだよなぁ。予想通り、紫苑の携帯はお前が取っただろうから位置は分からなかったが…。お前が鈍感で助かったよ、すぐに居場所が分かった」
(あれ、そうだったんだ…)
実は、私が彼から頼んでもいないのにあのストラップを渡された時、
「絶対つけとけよ」
と、しつこく言われていた。
あそこまであのストラップにこだわる理由は、GPSがついていたからなのか。
納得してしまった私は、思わず肩の力を抜いた。
一体、彼らはいつからこうなる事を予想していたのだろう。
彼らの思考回路に、私は到底追いつけない。
それは、たった今ネタばらしされている伊織にも言える事で。



