(皆、私の事忘れてる…？)


思わず不安になりかけて、目線だけをきょろきょろと動かしていると。


｢…お前ら、黙って聞いていれば呑気な事をっ…！死ね！｣


私の隣で、怒り心頭の荒川次郎がしゃがみこみ、右手で銃を取ろうとしていた。




しかし。


「死ぬのはお前だ」


冷ややかな声と共にまたも発砲された弾が、今度は荒川次郎の心臓を貫いた。


｢ぅあ、………｣


今まさに立ち上がろうとしていた彼は、突然の衝撃にバランスを崩し。


1歩、2歩、と進んだところで足がもつれ、その場にうつ伏せで倒れ込んだ。


(え、)


あまりの呆気なさに、猿ぐつわの下で開いた口が塞がらない。


それは、銃を発砲した湊さんも同じだったようで。


「ごめん…この人を逮捕するはずだったのに、凄くシンプルに死んじゃったね」


目の前で呆然と立ち尽くす私を見て、眉を下げて笑って見せた。







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｢いやあ、本当はもう少し荒川次郎と話したり、色々聞き出したい事はあったんだけど…。でも、とりあえずこれで紫苑ちゃんの復讐は終わったね！｣


気を取り直して明るく言葉を紡ぐ湊さんの、キラキラとした笑顔が眩しい。