「なっ…、黙れ!お前に何が分かる!10人もいないお前達mirageより、OASISの方が強いんだ!これ以上何か言うならこいつを殺す!」


(!?)


耳元で息を吹きかけられながら大絶叫された私は、泣いていたのも忘れて思い切り顔を顰めた。


「何を言ってるんだ、OASISは3000人も居たはずなのに今じゃ5人もいないじゃねぇか。それに比べてmirageは誰一人死んでない。お前の教育どうなってんだよほんとに」


「うるさい、お前に何が」


冷静に言い返した琥珀のせいで、私の横に立つ男の鼻息がどんどん荒くなっているのが分かる。


「黙って下さい、あなたの言いたい事は全て分かります。これは紫苑さんの敵討ちです!2兆円は渡しません!」


続いて口を挟んだ航海の大声により、荒川次郎は、


「そこから一歩も動くな!動いたらこいつを殺す!」


と叫び、私の首根っこを掴んで自分の方に引き寄せ、今度こそこめかみに銃を突きつけた。


(死ぬ、)


今彼が引き金を引いたら、間違いなく脳みそに弾が貫通して私は即死だろう。


今の私は人質と同然の扱いを受けているわけで、もう駄目かもしれない。


(助けて、助けてっ、…!)


まだ死にたくない、死んだ家族の為の復讐は果たせていないのに。