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「私が蒔いた種は私が片付ける。…ニュー、銃をよこせ」


私の目の前では、ラスボスとも言える荒川次郎が今まさに私を殺そうと動き出しているところだった。


(私は、負けない…死なない、絶対に死んでやるもんか!)


ガンマと一緒に居た時はあれ程までに弱気だったのに、今の私にはあの時の気持ちは消え失せていた。


代わりに生まれているのは根拠もない底抜けの自信と、揺らがない想い。


(mirageは、絶対に私を助けに来る…!)



この部屋は防音なのか、部屋の外がどうなっているのかよく分からない。


それでも、床に耳をつけているからか伝わってくるのだ。


明らかにこの部屋のものとは異なる足音、振動、衝撃、銃声。


1枚壁を隔てた向こう側で、mirageが最後の闘いをしているのは容易に想像出来る。


(お願いっ、助けに来て…!)


1度、荒川次郎があらぬ方を見ている隙を狙って手の縄を解こうとしたけれど、すかさず伊織に手を踏まれたから私は何も出来ない。


ただここで、OASISの行動を唇を噛んで見ている事しか出来ないのだ。




そして、その時は急にやってきた。


「さあ、死んでもらおう。…今まで大変だったね、安心して家族の元へ逝っておいで」


伊織から漆黒の銃を手渡された彼が、私の胸に銃を向けた。