ママの手料理

「……紫苑、ちゃん、一旦着替えは後にして、琥珀(こはく)…警察官に、事情を話そうか。その服装の方が、琥珀も信じてくれるだろうし」


「あ、はい…」



大也さんは、湊さんに、


「ちょっと琥珀呼んできて。リビングに来てって伝えて欲しい」


と言った後、私と2人でリビングのテーブルに隣同士になる様にして座った。


「…あの、大也、さんの親は何処に居るんですか?」


遠くから、


「琥珀ー、大也が呼んでるからちょっと降りてきてー。いやあのね、女の子が来てるんだよ。何か分かんないけど、血だらけで」


湊さんの声が聞こえる中、私はそっと聞いてみた。


先程から会っている人達は男の人ばかりだし、外見からして年齢もそこまで変わらない感じがするから、きっと兄弟なのだろう。


そう思っていると。


「…ん?それはどういう意味で聞いてる?母親役と父親役はちゃんとこの家に居るけど…。俺の本当の親って事?」


きょとんとした顔で、彼はまた変な事を言ってきた。


「え、…?」


良く分からなくて私が首を傾げた、その瞬間。


「大也お前何したの、とうとう頭のネジぶっ壊れちゃった?」


「俺の睡眠時間返せよぶっ殺すぞ」