ママの手料理

その後、琥珀と航海が共同でそこにいた敵を全滅させたのは言うまでもない。


「銀子ちゃーん、OASISの人達が武器貯蔵庫のパスワード分からないって言ってたよー?」


床に倒れ込むOASISの身体を押し退けた俺は、無線機をオンにして銀子ちゃんに問うた。


何かしたの?、と含みを持たせて問う俺の耳に、彼の自信満々な返答が聞こえてきた。


『ああ。パスワードを解除して、ついでに10分毎で自動に切り替わるパスワードに切り替えたから、OASISの奴らは死んでも開けられねぇだろうよ』


「じゃあそれ早く教えて?俺らの弾ももう少しで切れそうだからさ」


そう言いながら、俺はサングラスを外した航海の姿を横目で見た。


「真っ赤っ赤ー」


そう言いながら銃を振り回して楽しそうに笑っている彼からは、前までの優しく気配りの出来る少年の面影は微塵も感じられない。


「航海こっち来て、弾もうすぐで切れるでしょ?新しいのと交換の時間だよー」


まるで子供と接している時のように優しく話しかけると、彼は、


「あ、本当ですか?いや待ってください、もう1発残ってました」


そう言い、倒れ込んで息絶え絶えのOASISの胸に向かって最後の銃弾を打ち込み、


「弾が切れました。行きましょう!」


と、スキップをしながら俺の目の前を駆け抜けていった。