それと同時に階段を物凄い速さで駆け下りてくる音が聞こえるから、焦りながら逃げる私の背中には冷や汗がだらだらと流れていた。
(逃げなきゃ、地下1階まで…!)
恐怖で全身が震えていて、足がもつれて転びそうになる。
大型車の中で冷静に指示を飛ばしているであろう銀ちゃんを想像しながら、私が必死で階段を駆け下りていると。
「え、…?」
いきなり目の前の踊り場の横にある扉が開き、そこから見覚えのある男性が姿を現した。
私を見て口を開けたまま固まったその人は頬や服に所々血をつけているけれど、mirageのリーダー、吉良 湊である事は一目瞭然で。
(湊さんっ…!)
ああ、ようやくmirageに会えた。
この短時間で、私がどれだけ皆の事を考えていたか。
伊織に誘拐されてガンマに囚われ、何が起こっているのかすら判断が出来なかったけれど、これで私は助かるんだ。
すっかり安心した私は思わず足を止め、泣き腫らした顔に安堵の笑みを浮かべて、
「湊さん、私……」
ずっと呼びたかった彼の名前を呼んだ。
湊さんの目が、一段と大きく見開かれる。
けれど、
「このクソバカ女!何逃げてんだよ!殺すぞ!」
私の言葉は、最後まで紡がれることは無かった。
真上から聞こえる気味の悪い大声と共に、私の首に何かが刺さって。
(逃げなきゃ、地下1階まで…!)
恐怖で全身が震えていて、足がもつれて転びそうになる。
大型車の中で冷静に指示を飛ばしているであろう銀ちゃんを想像しながら、私が必死で階段を駆け下りていると。
「え、…?」
いきなり目の前の踊り場の横にある扉が開き、そこから見覚えのある男性が姿を現した。
私を見て口を開けたまま固まったその人は頬や服に所々血をつけているけれど、mirageのリーダー、吉良 湊である事は一目瞭然で。
(湊さんっ…!)
ああ、ようやくmirageに会えた。
この短時間で、私がどれだけ皆の事を考えていたか。
伊織に誘拐されてガンマに囚われ、何が起こっているのかすら判断が出来なかったけれど、これで私は助かるんだ。
すっかり安心した私は思わず足を止め、泣き腫らした顔に安堵の笑みを浮かべて、
「湊さん、私……」
ずっと呼びたかった彼の名前を呼んだ。
湊さんの目が、一段と大きく見開かれる。
けれど、
「このクソバカ女!何逃げてんだよ!殺すぞ!」
私の言葉は、最後まで紡がれることは無かった。
真上から聞こえる気味の悪い大声と共に、私の首に何かが刺さって。



