「とっととくたば」
「正当防衛ですので」
ゴキリッ………
目を細めた彼が自分に飛びかかろうとする敵の首をいとも容易く折り曲げたのは、それこそ俺が瞬きをした一瞬の事だった。
直後、OASISがドサリと床に倒れ込む。
(げ、こいつ死んだじゃん!)
「…う、み?だ、大丈夫?」
今までとは違い、完全に呼吸をしていないそのOASISを見た俺が恐る恐る彼に呼び掛けると。
「…眼鏡が壊されました。これ高かったんですよ?……正当防衛ですので、殺しても大丈夫です。早く4階に行きましょう!」
全く筋の通らない返答が返ってきた。
「あ、うん、そうだね」
息絶えたOASISをまるで虫けらの様に蹴り飛ばして俺よりも早く階段を上がる航海を見て、俺は鳥肌が立つのを感じながらイヤホンの電源を付けた。
「……航海の眼鏡が壊されて、それで、航海がOASISを1人殺した。……もうすぐ、“始まる”と思う」
囁くように他のメンバーに伝えた後、俺はイヤホンの電源を切って4階へと駆け上がった。
だから、俺には聞こえなかった。
『こら航海!人をむやみやたらに殺しちゃいけないよってあれ程言ったでしょう!全くもう、何で僕の教育は行き届かないのかなー』
「正当防衛ですので」
ゴキリッ………
目を細めた彼が自分に飛びかかろうとする敵の首をいとも容易く折り曲げたのは、それこそ俺が瞬きをした一瞬の事だった。
直後、OASISがドサリと床に倒れ込む。
(げ、こいつ死んだじゃん!)
「…う、み?だ、大丈夫?」
今までとは違い、完全に呼吸をしていないそのOASISを見た俺が恐る恐る彼に呼び掛けると。
「…眼鏡が壊されました。これ高かったんですよ?……正当防衛ですので、殺しても大丈夫です。早く4階に行きましょう!」
全く筋の通らない返答が返ってきた。
「あ、うん、そうだね」
息絶えたOASISをまるで虫けらの様に蹴り飛ばして俺よりも早く階段を上がる航海を見て、俺は鳥肌が立つのを感じながらイヤホンの電源を付けた。
「……航海の眼鏡が壊されて、それで、航海がOASISを1人殺した。……もうすぐ、“始まる”と思う」
囁くように他のメンバーに伝えた後、俺はイヤホンの電源を切って4階へと駆け上がった。
だから、俺には聞こえなかった。
『こら航海!人をむやみやたらに殺しちゃいけないよってあれ程言ったでしょう!全くもう、何で僕の教育は行き届かないのかなー』



