「大丈夫です。伊織もいるし、私は平気です」


安心させる様に微笑むと、湊さんは笑って頷き。


「ほらmirage、もたもたしてないで行くよ!早く車に乗って」


リーダーらしい言葉を発し、寒空へと通じる玄関の扉を開けた。







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「皆、もう着いたかな…?」


「まだじゃない?だって今2時過ぎだよ?」


「そっかあ…」


mirageを見送ってから、早1時間近くが経過した。


暇を持て余した私は先程まで笑美さんと一緒にリビングの掃除をしていたけれど、伊織の、


『タピオカミルクティー作るけど飲む?』


という言葉にまんまと乗せられた今、掃除をほっぽり出してソファーに座っている。


「はい、完成!召し上がれー」


手際良くタピオカを作り終わった彼は、笑顔で私にストロー付きのそれを渡してきて。


「ありがとう!壱さんが作ったやつはなんか変な味がして、伊織のタピオカミルクティーの美味しさを改めて感じたんだよねー」


いただきまーす!、と、私は顔に笑みを浮かべたままタピオカをゆっくりと吸った。


「え、そんなに変な味だったっけ?…まあいいや、俺のこのタピオカは美味しい?」


うーん、と首を捻る彼を、私は横目で見やる。