「はい」


「でも、僕らは相手側の情報なんて何も知らない。ということで、活躍するのは銀河と伊織、君達だ」


急に名指しされた銀河と伊織は、無言でお互いにゆっくりと目を合わせた。


「銀河、君にはOASISのパソコンだったりスマホをハッキングして、24日の予定を調べて欲しい。何でもいいから、その日に関わる情報は全て教えて。出来ればその日に本部に何人いるかも確認して貰えたら、マカロンあげるよ」


「ふっ、そんなものおけまるりんちょだ」


「…うざってぇ」


銀ちゃんの謎にまみれた返答の仕方に、琥珀がまた小声で悪態をつく。


「それから、伊織。君はまだ、OASISとの連絡を絶ってないんだよね?」


「…一応、情報屋だから」


(へ?…伊織?)


OASISとの連絡を絶っていないとは、どういうことだろう。


私の脳みそに浮かんだはてなマークは、誰にも気付かれることなく。


「なら、一応伊織も24日の予定を直接あちらに確認して欲しい。教えられた情報は全てこちらに流す事。銀河が集めた情報と照らし合わせる必要があるからね。…ただ、当たり前だけどmirageがその日に何をするのは相手には教えないでね」


「…もちろん。俺はもうこっち側の人間だから」


最後の一文だけ語気を強めた湊さんに対抗するかの様に、伊織も少しだけ語気を強めた様な気がした。