「あーもううるさいなあ、皆起きちゃうでしょ!少しは敬意ってものを払ってよ!ほら見てよ、航海のせいで銀子ちゃん寝ちゃってるよ?」


等と、かなり鮮明に彼らの声が筒抜けてくる。


(うるさ、……)


真正面の部屋の声がこんなに鮮明に聞こえるという事は、さぞかし隣の部屋の住人は迷惑している事だろう。


(可哀想な仁さん…いや、壱さん、?)


と、暗闇の中、私は静かに航海の隣の部屋の仁さんと壱さんに思いを馳せた。


もし仁さんが起きていたらきっと、


「お取り込み中ごめんね、君達は時間に配慮しようと思った事は無いのかな?ん?ふざけるのもいい加減にして貰える?」


等と、にっこりと笑顔を浮かべながら2人を黙らせようとするだろう。


そして、昨日の夜に初めて会ったけれど、きっと壱さんなら、


「………黙れゴミ共埋めるぞ。…お前もだクソハッカー、何馬鹿みたいにこいつらの会話に入ってんだよ、そんな暇あんなら首吊って死ねんだろ」


位の恐ろしい事をしゃあしゃあと言いそうだ。



(壱さん、ねえ…)


外からは微かに2人の話し声が聞こえる中、私はそっと息をついた。





結局夕飯の後、うるさい男子達が黙る事はなく。