ママの手料理

1番私と接する機会が多かった大也と航海は揃って航海の部屋に閉じこもる事で、私の家族を殺した犯人についての情報を銀ちゃんから得ると共に私とのコミュニケーションを断ち切り、私が悪夢にうなされてもどちらの部屋にも逃げ込めない状況を作り出した。


湊さんは、笑美さんと一緒にリビングに居る事によって私に不信感を持たれないようにしていたらしい。


けれど今思うと、彼の演技は少し下手だった。



｢僕らに対して少しマイナスな印象を持たせてから、mirageって事を伝えて一気に僕らに対する好感度を下げようとしてたんだけどねー。…まさか日本3大怪盗もろくに知らないなんて、逆に焦ったよ｣


仁さんの馬鹿にした様な声に、


｢……いや、私驚いてるんですけど、…え？皆、犯罪者って事、？警察官の琥珀も？｣


私は反論と質問を同時にぶつけた。


｢んー、まあ犯罪って言えば、犯罪？な所も無くはないよね。ハッキングとかして、警察より早く色んな情報をゲット出来るし｣


まるで他人事の様にあっけからんとした表情で答える大也は、満腹になったのか大きく伸びをした。


｢でも僕達の場合、盗まれたものを逆に盗んで持ち主の所に返してるから…。警察もまあまあ目は瞑ってる事は事実だね。ねえ琥珀？｣