ママの手料理

その時。


「待て」


怖い位に静かで落ち着いた、銀ちゃんの声が聞こえた。


(私…?)


今の口調は、傍から聞けば怒っている様にもその怒りを抑えようとしている様にも聞こえて。


(やばい怒らせた、?)


「何…、?」


振り返るのも怖くて、そう答えるので精一杯だった。


けれど、そんなに怯える事はなくて。


「お前に話さなきゃいけねぇ事がある、だから座れ」


いつもと同じ命令口調の彼に導かれる様に振り返ると、笑美さんも含めた全員が真面目な顔で頷いていた。


恐る恐る椅子に座り直すと、


「まず、お前には謝らなきゃいけねぇ事と伝える事がいくつかある」


斜め前に座る銀ちゃんが、ぶっきらぼうに口を開いた。


「良いニュースと悪いニュース、どっちから聞きた」


「お前は引っ込んでろクズ」


私が何かを言う前に口を開いた大也に、すかさずぎらぎらした眼光を向けながら琥珀が口を挟む。


そして、完全に皆が黙った事を確認した湊さんが、ゆっくりと口を開いた。




「最初に…、紫苑ちゃんの家族を殺した犯人なんだけど、…見つかったんだ」





「え、………?」


(見つかった、…?)


一瞬、時間が止まった気がした。


そして、次に自分の呼吸を感じた時、私の頬には違和感があった。