ママの手料理

全く、私の存在を忘れていたなんて信じられない。


「OASISはね、何か良く分かんないけど怪盗グループなの!悪い事してる奴だから、真似しちゃ駄目だよー?」


そして、大也は何かの話題に触れられて欲しくないかの如く、無駄に笑顔で明るく説明してきた。


「はあ……。でも銀ちゃん、色々調べてた、よ?」


私が銀ちゃんを見やると、彼は物凄いスピードでパソコンをシャットダウンさせながら、


「俺が何調べてたって?寝言は寝て言え。んな事よりピザ冷めるぞ、お前の分も食ってやろうか」


そう脅してきた。


「あ、それは駄目!」



そんなこんなで夕飯を食べ終わり、航海と部屋に戻った私は、知らなかった。


「おい情報屋」


「ん、?」


銀ちゃんが、今まさにリビングを出ようとしていた伊織に呼び掛けて、


「お前、荒川 次郎って奴知ってるか」


と、私の本当の家族と住んでいた家の近所に住むあのおじさんの名前を口に出した事。


「…誰それ?銀河の知り合い?」


「あーいや、何でもねぇ」


そして、伊織がリビングから出て行って完全なる静寂が訪れた時、


「……………アカだな」


「違ぇよクロだろうが馬鹿野郎」


という、最後だけ琥珀も介入してきた謎の会話がリビングで繰り広げられていた事を。