ママの手料理

「なるほどね、大変だねこれは。しかもOASISか……琥珀は警察署でこの話題聞かなかった?伊織もだよ」


小首を傾げている私に気付いていないらしい湊さんは、もう冷めかけたピザを自分の皿に移しながら琥珀と伊織に話を振った。


「聞いてねぇよ、ずっとチビの捜査でそこら中駆けずり回ってたんだからよ」


「俺も。……もうあいつらとは関係絶ってるし、何も」


舌打ちを飛ばす伊織とは違い、伊織は何故か少し口ごもりながら答えた、気がした。


「そう。………これ、どうしようか。OASISだから、警察も分からないだろうし安易に手が出せないね」


1切れのピザを僅か1口で食べ終えた湊さんは、腕組みをして大きく息を吐いた。


何を言いたいのだろう。


「僕は良いですよ別に。久しぶりで楽しそうですし」


彼の声に反応した航海が、作ったような笑顔を口元にたたえた。


そのまま話が進みそうだったけれど、今の会話に全くついていけていない私は、


「…え、ちょっと待ってOASISって何?それから皆、急に何を話してるの?」


申し訳なさそうな表情を浮かべ、上目遣いで湊さんを見た。


「え!?…あ、紫苑居たんだ、忘れてた…。別に今の話は何でもないよ」


その瞬間、新たにピザを口に入れようとしていた彼はそれを落としかけ、慌てて掴み直しながら分かりやすい嘘を口にした。